犬種別のしつけにこだわってしまうと本質を見失う
犬種別のしつけは本当に重要?
「堀川さんのしつけ法はどの犬種にも効果のある しつけ法ですか?」・・
私にご相談される飼い主さんのなかで、犬種別のしつけ方法についての疑問は、わりと多い内容です。
プロトレーナーさんのしつけ教材に、「どんな犬種でも しつけで必ず良くなります」とあったので、しつけ教材を購入しサポートの依頼をしたら、「その犬種は別で、もうしつけは無理です」と言われたり、最初からしつけ教材の注意点で、「日本犬は別で対象外です」というものまであるそうです。
飼い主さんはしつけでもう相談できる人がいなくて、本当に困ってしつけ教材を買われたのに、あんまりです。
もちろん私も「この犬種はこのしつけで完璧に治ります」とは断言できませんし、それはどんな犬種でも、どんな飼い主さんに対しても言える事です。
しかし、プロトレーナーさん達は、では日本犬を飼っている飼い主さん達にどうしろと言うのでしょうか?
「その犬種を飼ったあなたが悪い、殺処分にしてください」とでも言うのでしょうか・・
例えば、「洋犬の盲導犬のように優秀で良い子にしつけるのは無理ですが、努力に結果は必ず比例します。
しつけをあきらめたら何も変わりませんし、更にひどくなる可能性もあります。私と一緒にもう一度しつけをがんばってみましょう」・・・
そう言ってあげるのが しつけのプロではないでしょうか?
私達 日本人と代表的な日本犬である柴犬は、大昔の縄文時代から一緒に暮らしてきました。
秋田犬の忠犬ハチは実話です。
なぜ現代人は一緒に暮らせないのでしょうか?
日本犬が本当にしつけ出来ず、一緒に暮らせないほど扱いにくい犬種ならば、とっくの昔に絶滅させられていたはずです。
オオカミやディンゴのリーダー達、忠犬ハチの飼い主さんはオヤツやクリッカー、しつけグッズや天罰方式を使ったのでしょうか?
それともTVチャンピオンのしつけDVDを見たんでしょうか?(笑い)・・
犬という動物の本質を理解し、主従関係と信頼関係を時間をかけ築き、犬が理解できるシンプルな教え方をしただけです。犬種別のしつけがどうこう言う以前のお話です。
素直にそれを受け入れ、継続したのです!
お話は変わりますが、例えば「ポメラニアンはよく吠える犬種」などと言われますが、では他の犬種は吠えないのでしょうか?・・
とんでもありません。
血統の良い犬種だから しつけしない、自由気ままに放任、こうなればどの犬種でも要求吠えをしますし、噛み付き引っ張ります。
ペットショップや本で「この犬種は○○な性格」と言われても、どの犬種と比べて?・・と聞きたくなりますし、他の犬種を飼ったことが無ければ比較しようも無いです。
その前にじゃ〜犬という動物共通の性質は?
基本的なしつけ方は分かってますか?
となります。
犬種別のしつけにこだわってしまった失敗例をいくつか挙げます。
例えばゴールデンやラブラドール・・盲導犬や介助犬としての良いイメージが強い犬種ですが、しつけを徹底しなかったために吠え、噛み付く・・普通にそうなります。
大型犬の吠え声はすさまじく響きます。無駄吠えされたらとても耐えられません。ポメちゃんどころではないのです。
他ではミニチュアダックスやトイプードルも可愛い犬種です。ペットショップや本の説明を見ても「この犬種は家庭犬にピッタリで、子供さんやお年寄りでもしつけが簡単です」・・
その先入観から しつけを徹底できず、気が付いたら「本噛みがひどく触ることすら出来ない」と相談される飼い主さんも多いです・・
例えばあなたが、ポメラニアンやチワワのような可愛い犬種と、大きくていかにも怖そうなロットワイラーやドーベルマンのような犬種を同時に飼ったとしましょう。両種と同じように接しますか?
違うはずです・・・別の接し方やしつけをすると思います。気が付いたら小さく可愛い犬種を過保護にし、べったりで甘やかしていると思います。
そうなれば元々同じ性格だったとしてもポメちゃんの方が問題行動を起こします。犬種に対するしつけの先入観は、持つべきではないのです!
同じ犬種でも一頭一頭のワンちゃんによって千差万別!
ブリーダーやペットショップの育て方も千差万別!
飼う側の飼い主さんも千差万別!
変わらないのは「犬」という動物の本質なのです!
犬種別のしつけ法にこだわってしまうと犬本来の本質を見失ってしまうのです!
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